イギリスのEU離脱に伴いローミングチャージ復活の流れへ?

以前の記事に関連して、イギリスのEU離脱(=ブレグジット)に伴い域内でローミングチャージが復活する流れになってきているようですので調べてみました。

これまでの流れ

イギリスがEU加盟国である限りは、イギリスの各キャリアはEUのDigital Single Market Strategyの一環として域内でのローミングチャージの徴収はできませんでした。

しかしEU離脱に伴いこの規制は適用されなくなるため、去就が注目されていた、というのが以前記事にしたとおりです。2020年2月1日に記事を書いた時点では、英政府も各キャリアも当面の間ローミングチャージを徴収する予定はないと述べていました。

そんな中コロナ渦に突入し、イギリスもEUどころか大西洋を挟んでアメリカなどとも往来が難しくなり、正直それどころではない感じだったのではないでしょうか。

変化の兆し

そろそろ日本でもワクチン接種率の向上に伴い少しずつではありますが明るい兆しが見えてきているところですが、欧米諸国は一歩先に日常生活に戻り始めている状況で、ヨーロッパのバカンスや北米内の移動も盛んになってきているようです。

そんな中、2021年6月24日付けでBBCが報じたところによるとイギリス最大シェアを誇るEE(旧T-Mobile/Orange)が、2021年7月7日以降の新規契約あるいはプラン変更分より、2022年1月以降、ローミングチャージの徴収をすると発表しました。

詳細はEEのEU Roaming charges and changesをご確認いただければと思いますが、簡単に言うとこれまでイギリス国内プランの契約データ容量などをそのままEUを含む47カ国で使えていたところ、これが無料ではなくローミングした1日につき2ポンド(約300円)徴収するというものです。

さらに、つい先日2021年8月10日付けでBBCがVodafoneについても同様にローミングチャージを復活させると報じました。既にVodafone公式にもRoaming updatesということで詳細が出ていますが、こちらも要約すると2021年8月11日までの契約プランを維持する限りはローミングチャージの対象ではないが、それ以降の新規契約やプラン変更の場合は、2022年1月以降はプランによってはローミングパスの購入が必要となったり、1日あたりの課金が発生するとしています。(ただしそもそもプラン自体にローミングが含まれているUnlimited data Xtra plan with 4 Xtra benefits等の一部プランについては引き続きローミングチャージの対象外)

気になるVodafone Ireland RED Roamingの動き

英キャリアがローミングチャージを復活する動きは少し残念ではあるものの、正直以前維持していたEEは既に利用していないことも有り、個人的には逆方向のEUキャリアがイギリスでのローミングチャージを復活させるかどうかが気になっているとこです。

現時点では、Vodafone Irelandはイギリスにおけるローミングについて特に何も言及していませんし、調べた限りでは他のEU諸国のキャリアも離脱に伴いイギリスにおいてのみローミングチャージを復活させるような動きは今の所無いようですが、今後も状況を注視していきたいと思います。